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伊藤 大介*; 伊藤 啓*; 齊藤 泰司*; 青柳 光裕; 松場 賢一; 神山 健司
Nuclear Engineering and Design, 334, p.90 - 95, 2018/08
被引用回数:9 パーセンタイル:62.99(Nuclear Science & Technology)多孔質媒体を通過する二相流を理解することは、軽水炉のみならずナトリウム冷却高速炉を対象としたシビアアクシデント解析コードを開発する上でも必要なことである。ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故時には溶融燃料と冷却材が相互作用した結果として、多孔質状のデブリベッド内で気液二相流が形成されると考えられる。このような多孔質媒体中における二相流場の特性を明らかにするためには、局所的な空隙率とその分布を把握することが重要である。本研究では、X線ラジオグラフィを用いて球体充填層内における局所空隙率を測定するとともに、その径方向分布を評価し、従来の空隙率モデルと比較した。さらに、球体充填層内を通過する空気と水の二相流におけるボイド率の径方向分布を得た。
白川 敏彦*; 井尻 裕二*; 長坂 和佳*; 松本 昌昭*
JNC TN8400 2000-021, 66 Pages, 2000/04
高レベル放射性廃棄物の地層処分研究における、第2次取りまとめの核種移行解析において使用した核種移行解析コードMATRICSの信頼性を検討した。検討方法としてMATRICSおよび解析解により核種移行パラメータについての感度解析を行い、各々の計算結果を比較した。また、MATRICSで使用している逆ラプラス変換法であるTalbot法とCrump法、細野法に関して核種移行パラメータについての感度解析を行い、各々の逆ラプラス変換法による結果を比較した。検討の結果、以下の事項が判明した。・マトリクス拡散距離無限の場合におけるMATRICSによる解析結果と解析解との比較の結果、Pe数が1.0100のとき、MATRICSによる解析結果の誤差は、最大で約0.4%であり、透水量係数が1.010-101.010-5(m2/s)のとき、MATRICSによる解析結果との誤差は、最大で約5.5%であった。・マトリクス拡散距離有限(0.031.0(m))の場合におけるMATRICSによる解析結果と解析解との比較の結果、Pe数が1.0100のとき、MATRICSによる解析結果の誤差は、最大で約0.7%であり、透水量係数が1.010-101.010-5(m2/s)のとき、MATRICSによる解析結果の誤差は、最大で約2.4%であった。・逆ラプラス変換法であるTalbot法を他の逆ラプラス変換法による結果と比較した結果、Talbot法は、Pe数が5.010-12.0103、透水量係数が1.010-7(m2/s)以下の場合は、計算結果は、Crump法、細野法と同様の結果となった。以上のことから、第2次とりまとめにおけるPe数及び透水量係数の範囲においては、MATRICSによる解析結果は信頼できるものであると結論づけられる。
竹村 守雄*
JNC TJ9450 2000-002, 112 Pages, 2000/03
本報告書は、1986年に開始されたJASPER(Japanese-American Shielding Program for Experimental Research)計画の中で企画された計8個の一連の実験の中の6番目の実験として、1992年3月初めから約2ケ月間かけて米国オークリッジ国立研究所(ORNL)にて実施されたギャップストリーミング実験の測定値、実験体系の寸法・組成データ、実験状況、測定システム等の情報を一冊にまとめたものである。作成にあたっては、ORNLから発行されたギャップストリーミング実験結果報告書の内容を基本とし、それに現地派遣員より報告された情報を補足した。ギャップストリーミング実験は、高速炉原子炉容器上部の中性子束がインクロージャシステムに存在する空隙部を通じての中性子ストリーミングに起因していることから、空隙部の幅、オフセット間隔と中性子ストリーミングの大きさの相関を実験的に把握すると共に、このストリーミング評価に適用される解析手法の精度の検証と向上のためのデータベースを提供するため企画された。ORNL遮蔽実験施設TSF(Tower Shielding Facility)の実験炉TSR-II(Tower Shielding Reactor-II)のコリメータ後方に鉄ライナー付きコンクリート供試体が設置された。コリメータと供試体との間にスペクトルモディファイアを設ける体系と設けない体系とが構成され、軟らかいエネルギースペクトル(実機を模擬)と硬いスペクトルの中性子が供試体に入射された。コンクリート供試体には中央に貫通部があり、コンクリート製シリンダー、円筒状スリーブを挿入組合わせることにより、円環状ギャップの幅とオフセット位置を変えられる構造となっており、供試体の後方において各種検出器を用いた中性子測定が行われた。広いエネルギー範囲にわたる中性子が、ビーム軸に直交する方向での分布及びビーム軸上において、ほぼ全体系において測定された。硬い入射スペクトルのものについてはさらに、高速中性子のビーム軸上でのエネルギースペクトルの測定及びビーム軸に直交する方向の分布の測定が行われた。なお、JASPER計画は日米両国の液体金属冷却炉(LMR)の現行設計内容の進展に資することを目的として、米国エネルギー省(USDOE)と動力炉・核燃料開発事業団(現核燃
室井 正行*
JNC TJ8400 2000-042, 142 Pages, 2000/02
セメント系材料から発生する高アルカリ空隙水は、緩衝材の膨張能力の喪失、空隙率の増大及び吸着能力の低下をもたらす可能性がある。ここでは、ベントナイトとセメント空隙水の反応のモデル化研究を行った。ベントナイトとセメント間隙水の反応は、反応-輸送コードPRECIPを用いて計算された。セメント劣化の経時的変化を反映した3種の組成(浸出液1, 2, 3)の空隙水を、一次元で1mのベントナイト(+砂)流路と、25と70Cで反応させた。主要鉱物の溶解・析出については、速度論的反応機構を考慮した。浸出液1は最も反応性の高い液(最大のpH, Na, K)で、浸出液3は最も弱い(最低のpH, Na, Ca)。浸出液1を用いたシミュレーションでは、約1000年後にセメントとの接触部から60cmの初期ベントナイト鉱物が完全に消失した。空隙率の最大の増加は浸出液1の場合で(80-90%まで)1-2cm幅の狭いゾーン全体に観測された。全ての液のシミュレーションでは、セメントとの境界に極近いゾーンで空隙がCSH鉱物によって充填された。ゼオライトやシート状シリケートの析出は境界から離れて生じた。今回の条件では、25, 70での差はほとんどなかった。モンモリロナイトの溶解は速度論的パラメータには敏感でないことを示した。モデル化研究で選択された概念モデルでは、ベントナイトと反応しうるセメント間隙水の総量を無制限と想定したため、保守的(悲観的)評価となっている。また、仮定に以下のような多くの不確かさが存在する。・高pHにおける鉱物の溶解及び成長の動力学的機構、・時間と共に増加する鉱物の表面積、・高pHにおけるCSH鉱物、ゼオライト及び水性種の熱力学的データ、・空隙率の変化と流体の流れ/拡散の間の相互影響
三木 崇史*; 笹本 広; 千葉 保*; 稲垣 学*; 油井 三和
JNC TN8400 2000-007, 32 Pages, 2000/01
本資料では、ニアフィールド母岩や緩衝材中の酸化還元状態を評価する上で重要と考えられる地球化学反応について文献調査をもとに整理した。以下に調査の結果をまとめる。・酸化還元反応に寄与する物質としては、岩石中に含まれる二価鉄を含む鉱物や有機物が重要である。特に、黄鉄鉱は、溶存酸素との反応が比較的速いため、処分場閉鎖後初期の段階では、酸素は黄鉄鉱により消費されると考えられる。・還元性物質による還元能力は、室内での岩石(鉱物)-水反応をもとに、定量的な評価が可能である。なお、二価鉄の含有量が多く、空隙率の大きいほど、岩石の有する還元能が大きいことが期待されている。・還元性物質による溶存酸素の消費速度についても、二価鉄を含む主要な鉱物について、実験的に求められている。また、溶液中に溶解した二価鉄イオンと溶存酸素との反応に関する速度式や速度定数も求められている。 従って、これらの既存の文献でまとめられているデータを用いることにより、坑道掘削に伴い変化するニアフィールド母岩や緩衝材中の地球化学的状態を速度論的に検討することが可能であると考えられる。
橋爪 修司*; 松本 潤子; 馬場 恒孝
原子力バックエンド研究, 6(1), p.101 - 106, 1999/12
Alを微量に含む固体状廃棄物をモルタルに固型化する際、ガスが生じ、充てん固化体の放射性核種保持機能に影響を与える可能性があるので、Al含有固化体を試作し、固化体中の空隙率を測定した。また、モルタルの物性値やAlからのガス発生量等から固化体の空隙率を推定する手法を検討した。その結果、ばらつきはあるが、Alと炭層鋼の接触部分では接触のない部分に比べ固化体の空隙率が減少した。モルタル中のガス発生を起因とする空隙率とモルタル模擬環境中でのガス発生量に与える鉄/Al面積比の影響は一致した。モルタル中の空隙率のばらつきの原因として、モルタル中では溶液抵抗の大きくなる部分が生じ、異種金属接触の効果が小さくなりガス発生し空隙率が増加したり、腐食生成物が生じた部分で腐食反応が低下し空隙率が減少するためと推定した。さらに、空隙が形成される限界の時間と考えられるモルタルの始発時間、上昇時間、腐食度、ガス発生速度から固化体の空隙率を推定する手法を確立した。固体状廃棄物の固型化に用いると考えられるモルタル中でのAlからのガス発生を起因とする空隙率はAlが炭素鋼と接触していない場合でも1%以下と推定された。
吉田 隆史; 石原 義尚; 石黒 勝彦; 仲島 邦彦*; 大井 貴夫
JNC TN8400 99-087, 41 Pages, 1999/11
地層処分システムの性能評価において、人工バリア中の核種移行に影響を及ぼす現象として、オーバーパックの腐食膨張および緩衝材の流出が挙げられている。このため、この二つの現象によって影響を受ける緩衝材パラメータ(緩衝材厚さ、空隙率、拡散係数)を変化させて人工バリア中核種移行の感度解析を行い、人工バリアから周辺岩盤への核種移行率の変動について調べた。オーバーパックの腐食膨張と緩衝材の流出を考慮し、緩衝材厚さ、空隙率、拡散係数を変化させて解析を行った結果から、この二つの現象は半減期が1万年未満の核種の移行率に対して大きな影響を及ぼすことが分かり、オーバーパックの腐食膨張はこれらの核種の最大移行率を減少させ、緩衝材の流出は逆に最大移行率を増加させることが示された。しかしながら、半減期が10万年を超える核種(例えば、Cs-135やNp-237など)の移行率については、オーバーパックの腐食膨張および緩衝材の流出による緩衝材パラメータの変化が最大移行率に及ぼす影響はほとんどないことが示された。
青柳 孝義*; 三原 守弘; 田中 益弘*; 奥津 一夫*
JNC TN8400 99-058, 55 Pages, 1999/11
TRU廃棄物処分施設内に定置される廃棄体には、廃棄体自身に空隙を有するものがある。また、セメント系材料が候補材料となるコンクリートピットや充填材においてもそれらの成分溶出に伴う空隙発生が想定される。これらの空隙が潰れ緩衝材(ベントナイト)内部に体積変化(減少)が生じた場合、ベントナイトの膨潤にともなうベントナイトの密度の低下、すなわち透水性の増大によって、あるいは十分な膨潤が得られないことによる空隙の不完全閉塞によって、ベントナイト中での拡散支配が担保されないことが考えられる。そこで本研究では、保守的な想定のもとにベントナイト内部の体積変化について解析を行うとともに、ベントナイトの自己シール性、最大膨潤率、密度分布変化について実験を行い、体積変化に対する人工バリアシステムの健全性評価を行った。評価に先立ち、発生する空隙を保守的な想定に基づいて算出した。この値を用いて緩衝材が均一に膨潤して閉塞すると想定した場合の緩衝材の密度を求め、ベントナイトの密度と透水係数の関係を示す既存の研究成果から得られる透水係数により、既存の人工バリア仕様の場合は、緩衝材内部において拡散支配と成り得ることを確かめた。次に上記の保守的な空隙を想定した場合、拡散支配を維持するのに必要な透水係数が実際のベントナイトの膨潤において担保されるかを確認するための試験を行った。その結果、Na型ベントナイトでは、拡散支配を担保するのに十分な膨潤性能を確認することができた。しかし、Ca型化ベントナイトでは、Na型ベントナイトに比してその膨潤性能は1/6以下と大きく低下し、本研究で想定した空隙量に基づいた場合、透水係数の増加により拡散支配が担保されず、処分システムに影響を及ぼす可能性があることがわかった。今回の検討結果より、今後も体積変化に対する人工バリアシステムの健全性能評価について、その対処方法や評価方法の検討を行う必要があると考えられる。
斎藤 茂幸*
JNC TJ1400 99-014, 173 Pages, 1999/03
本委託研究は、ニアフィールド岩盤中の物質移行経路のモデル化の基礎となるデータを、実際の岩盤性状を把握することにより収集し、ニアフィールドにおける天然バリア性能の定量化に資することを目的として平成5年より実施されてきた。本年度においては、これまで本研究において取得してきた移行経路調査及び岩石試料を用いたミクロな空隙構造調査のデータの取りまとめを行った。西暦2000年に核燃料サイクル開発機構(JNC)が報告する予定の「地層処分研究開発第2次取りまとめ」では、天然バリアの安全評価に関わる水理解析及び核種移行解析において亀裂ネットワークモデル及びチャンネルネットワークモデルが採用されることになっている。本委託研究の本年度の取りまとめは、その亀裂ネットワークモデルヘのデータの提供を念頭に置き、必要なパラメータや考慮事項となる特性に関するデータの整理を行い、以下の事項に関する整理結果を示した。(1)物質移行経路となる地質的特徴の種類(2)亀裂の分布に関する特性(亀裂の方向性、亀裂のトレース長、亀裂の発達頻度)(3)亀裂の内部及び周辺の構造(亀裂の幅、亀裂充填物、亀裂周辺の変質部)(4)マトリクス部分の特性(マトリクスの異方性に影響を与える構造、マトリクス部分からの湧水)(5)断層・破砕帯の特性(内部構造、分布)(6)マトリクス拡散の場となりうる移行経路の特性 上記の検討結果をもとに移行経路となる地質構造モデルのパターン化を行い、さらに現場観察に基づく物質移行概念モデルの不確実性に関する検討を行った。
田中 皓*
JNC TJ1400 99-042, 17 Pages, 1999/02
緩街材中の空隙構造に関しては,「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の2つのモデルが提案されている。緩衝材中の枝種の移行挙動を電気二重層理論に基づき検討するに当たっては,これらのモデルのいずれが適切なものであるのかを決定することが重要である。本研究では,クニピアFを対象として,表面電位の推定、庄密体の電顕観察を行い,その結果を基に計算された「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」それぞれの実効拡散係数を実測値と比較して,これらのモデルの妥当性を検討した。また,クニゲルV一1を用いてCs及びNpの実効拡散係致を測定した。結果は次の通りである。(1)表面電位の推定 電位の測定を行い,表面電位の推定を行った。得られた値は,‐56.5mVである。(2)圧密体の電顕観察SEM観察及びSrCl/SUB2溶液を含浸させた圧密体中のSr分布のEPMA観察を行った。いずれの観察においても,「有効空隙モデル」を支持する結果は得られなかった。(3)「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の検討「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」いずれからの実効拡散係数推定値も定量的には実測値との一致は得られなかった。しかしながら,充填密度依存性や拡散種の電荷依存性は定性的には「均一空隙モデル」での予測と一致した。それゆえ,空隙モデルとしては「均一空隙モデル」が適切ど考えられる。(4)Cs及びNpの実効拡散係数測定以下の植が得られた。Cs:3.910/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.4g/cm/SUP3) 2.510/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3) 3.210/SUP-11 m/SUP3/s(充填密度2.0g/cm/SUP3) Np:1.210/SUP-10 m/SUP2/s(充墳密度0.8g/cm/SUP3) 2.510/SUP-11 m/SUP2/s(充墳密度1.4g/cm/SUP3) 2.510/SUP-12 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3)
田中 皓*
JNC TJ1400 99-041, 93 Pages, 1999/02
緩衝材中の空隙構造に関しては,「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の2つのモデルが提案されている。緩衝材中の核種の移行挙動を電気二重層理論に甚づき検討するに当たっては,これらのモデルのいずれが適切なものであるのかを決定することが重要である。本研究では,クニピアFを対象として,表面電位の推定,圧密体の電顕観察を行い,その結果を基に計算された「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」それぞれの実効拡散係数を実測値と比較して,これらのモデルの妥当性を検討した。また,クニゲルV一1を用いてCs及びNpの実効拡散係致を測定した。結果は次の通りである。(1)表面電位の推定 電位の測定を行い,表面電位の推定を行った。得られた値は,‐56.5mVである。(2)圧密体の電顕観察SEM観察及びSrCl/SUB2溶液を含浸させた圧密体中のSr分布のEPMA観察を行った。いずれの観察においても,「有効空隙モデル」を支持する結果は得られなかった。(3)「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の検討「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」いずれからの実効拡散係数推定値も定量的には実測値との一致は得られなかった。しかしながら,充填密度依存性や拡散種の電荷依存性は定性的には「均一空隙モデル」での予測と一致した。それゆえ,空隙モデルとしては「均一空隙モデル」が適切と考えられる。(4)Cs及びNpの実効拡散係数測定以下の植が得られた。Cs:3.910/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.4g/cm/SUP3) 2.510/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3) 3.210/SUP-11 m/SUP3/s(充填密度2.0g/cm/SUP3) Np:1.210/SUP-10 m/SUP2/s(充墳密度0.8g/cm/SUP3) 2.510/SUP-11 m/SUP2/s(充墳密度1.4g/cm/SUP3) 2.510/SUP-12 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3)
斎藤 茂幸*; 諸岡 幸一*; 池田 則生*; 杉山 和稔*; 富山 真吾*; 川上 和夫*
PNC TJ1211 97-002, 774 Pages, 1997/03
本研究は、ニアフィールド岩盤中の物質移行経路のモデル化の基礎となるデータを、実際の岩盤性状を把握することにより収集し、ニアフィールド性能の定量化に資することを目的として実施するものである。本年度は、昨年度に引き続き露頭観察を主体とした移行経路調査及び一部の調査箇所についての岩石試料を用いたミクロな空隙構造調査を実施した。また、割れ目部を含む凝灰岩の室内透水試験、移行経路調査の実施箇所に関連する文献の調査及び岩石試料のX線分析を実施した。移行経路調査では、玄武岩、花崗閃緑岩及び砂岩・泥岩を対象にして延長10m幅1mを基本とした露頭スケールでの割れ目を主体とした肉眼観察(通常スケッチ)及び特定の移行経路(亀裂等)に対して行う肉眼による観察(詳細スケッチ)を行った。また、花崗閃緑岩及び砂岩・泥岩では、数100m数kmスケールでの破砕帯の分布調査を行った。岩石試料を用いたミクロな空隙構造調査では、昨年度採取した片岩及び今年度採取した凝灰岩を対象にして、浸漬面から連続する空隙に対して顕微鏡観察及び画像解析を行い、それらの構造、分布特性及び空隙率の変化等を調査した。室内透水試験では、割れ目部を含む凝灰岩試料に対して透水係数を求め、これを昨年度求めたマトリクス部の透水係数と比較を行った。文献調査では、岩種毎の調査地点における割れ目特性の地域的代表性を地質学的特徴からの裏付けを検討した。X線分析では、昨年度までに採取した主として割れ目充填鉱物試料に対して、含有鉱物を同定し、その量比を定性的に調べた。移行経路調査の結果はスケッチ図で示すとともに、岩石の種類を考慮して割れ目の種類、連結性、配列の規則性、特徴的な構造や規模等の観点で物質移行経路のパターン化に向けた整理を行った。
山口 徹治; 磯部 博志; 中山 真一
放射性廃棄物研究, 3(2), p.99 - 108, 1997/00
茨城県稲田産花崗岩及びカナダマニトバ州にあるカナダ原子力公社(AECL)の地下実験施設(URL)から採取した花崗岩(URL花崗岩)の中の微小空隙の性状を水飽和法及び水銀圧入法で測定した。測定上の工夫をすることにより、空隙率が極めて小さい岩石についても空隙率や空隙孔径を精度よく測定することができた。これらの花崗岩の空隙孔径はほぼ対数正規分布をとることが確認された。稲田花崗岩の空隙率は(0.490.07)%であり、空隙の直径の最頻値は140nmであった。SEM観察により大きさが数十~数百nmの空隙の存在が確認された。URL花崗岩については空隙率が(0.400.10)%、空隙の直径の最頻値は290nmであった。孔径が拡散するイオンに比べて充分大きいことや正規分布をとることは、岩石内における拡散現象に通常の拡散方程式を適用するための前提条件であるが、これらの花崗岩はそれをほぼ満たしていることが確認された。
向井 悟*; 土井 英雄*
PNC TJ1214 93-005, 64 Pages, 1993/03
地層中における物質の移動特性に関して、有効空隙率の空間分布特性を考慮して地下水の流れと物質の移動のモデル化を行った。地下水流れ及び核種移行のモデル化においては、亀裂帯での核種移行評価のために、透水性の高い層(亀裂層)と透水性の低い層(隣接層)からなる2層モデルを構築し、地下水流れと核種移行の計算プログラムシステム(FATRACS)を作成した。作成したプログラムシステム(FATRACS)について、地下水流れ及び核種移行の計算プログラムの検証を実施し、計算の妥当性が確認できた。また、この計算プログラムを用いて、フィンションサイトの試験を解析することにより、亀裂帯での核種移行を表現することができ、モデルの妥当性を確認することができた。
木村 英雄; 村岡 進
JAERI-M 86-091, 52 Pages, 1986/06
本報告書は、計算コード3D-SEEPについて述べたもので、本コードを有効に使用する為のマニュアルである。3D-SEEPは放射性廃棄物処分の安全評価の為に、飽和-不飽和、定常-非定常の地下水流解析を行う計算コードである。本コードは、ガラーキン法を用いた3次元有限要素法を用いており、複雑な地形や地層パターンを取り扱う事ができる。地下水流はダルシー則に従う単相流として取り扱い、フラクチャーを有する地層を考慮する為 簡便な二重空隙モデルを導入した。また、本コードは自由水面を有するような領域も取り扱う事が可能である。
衛藤 基邦; 山口 康市; 佐々木 泰一; 榎本 茂正
炭素, (113), p.60 - 65, 1983/00
クリプトン85を用いたラジオトレーサー法を圧縮予応力を与えた三種類の原子炉用黒鉛、SMI-24,7477PT及びH327に応用し、微視構造変化の検出の可否を検討した。Krを3.410kPaで圧入したのち、室温大気中放置時間の関数としてKr残存量を線及び線の強度を測定することによって求めた。結果は黒鉛の種類によって異なり、SMI-24黒鉛では予応力水準の増加に伴い残存クリプトン量が増加し、残存量半減時間は減少し、微視構造変化を検出できると考えられるのに対し、他の二種類の黒鉛では明瞭な効果を検出できなかった。
菊池 輝男; 岩本 多實
JAERI-M 5937, 30 Pages, 1974/12
原子炉用黒鉛材、高純度黒鉛材および一般加工用黒鉛材について、ガス透過率、空隙率および比表面積を測定し、後二者が前一者におよぼす影響を、電子顕微鏡による組織観察とあわせて調べた。黒鉛材中のガス透過率は、フィラー粒子の小さい黒鉛材中では粘性流支配であり、フィラー粒子の大きい黒鉛材中では分子流支配であることがわかった。組織観察の結果、前者の組織中の空隙を連結する細孔径は大きく、後者のそれは小さく、細孔組織とガスの流れには相関があることがわかった。ガスの透過率と空隙率との相関はみられなかった。
山崎 秋雄*; 大窪 貴洋*; 岩舘 泰彦*; 舘 幸男
no journal, ,
含水飽和圧縮Na型モンモリロナイト中の間隙構造の1H NMR法による分析を実施した。1H NMRで観測される水分子の緩和時間と凍結温度が空隙サイズに依存することを利用して、飽和圧密モンモリロナイトの層間と粒子間空隙の定量を試みた。
此村 守*; 神山 健司
no journal, ,
密度の大きな噴流が水プール中に放出された際の挙動を粒子法を用いて解析した。実現象では発現しない水中の空隙を抑制するには、わずかな加圧体系としておくことが有効であることが分かった。
山崎 秋雄*; 大窪 貴洋*; 岩舘 泰彦*; 舘 幸男
no journal, ,
含水飽和させた圧縮Ca型モンモリロナイト中の空隙構造を1H NMR法によって分析した。1H NMRで観測される水分子の緩和時間が空隙サイズに依存することを利用して、圧縮Ca型モンモリロナイトの層間と粒子間空隙を定量的に評価した。